芸者から学ぶ special interview 芸者 紗幸

2016.08.02  |  ウェブサイト  |  芸者から学ぶ special interview 芸者 紗幸 はコメントを受け付けていません。

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こんにちは。

東京花柳界情報舎のの長岡です。

今回は、早稲田大学国際教養学部の授業風景を見学させて頂きました。

講師は元浅草芸者で、現在は谷中(東京都台東区)で置屋を営む紗幸お姐さんになります。

 

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紗幸(さゆき)
2007−2011
浅草花柳界入門後に同花街でお披露目する

2011
現在独立し、谷中(東京都台東区)の置屋を拠点にに芸者を続ける

全国の花街と交流を持ち、日本中のお座敷に参加しつつ
客員教授として世界中の大学で芸者文化の講義を実施中
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早稲田大学の授業を見学

本日は早稲田大学国際教養学部の1年生の学外授業にやって参りました。授業内容はなんと、生徒による半玉体験。半玉とは、芸者の見習い期間中の立場のことを言い、昔は玉代(お給金)が一人前の芸者の半分であったことから、このように呼ばれることになりました。こちらの授業では、芸者の紗幸お姐さんによる、日本文化の授業だけでなく、このような学外授業が年数回あり、新橋の『東をどり』を見学したり、料亭で実際にお客様としてお座敷を体験されたりするそうです。

講師の紗幸お姐さんは、朝早くから会場入りし10数名分の着物や化粧道具、装飾品の準備をされていました。近くの美容院で日本髪をセットした早稲田大学の生徒達に白粉の塗り方や、着物の着付けをされます。参加された生徒は全員が女性。まだお化粧に慣れていない年頃で、初めて使う白粉の扱いに苦戦する様子が微笑ましかったです。

お昼過ぎに全員の着付けが完了し、生徒達が半玉姿で町を散歩する様子は、商店街中の注目を集めていました。

紗幸さんも、忙しい時間が終わり、貴重な休憩時間中に私からのインタビューに応じていただけました。なお、取材後には生徒達のメイク落としなどをして、そのあとは紗幸さん自身が接客するお座敷も控えているそうです。とても忙しい中、取材時間ありがとうございます。

 

日本来日のキッカケと、芸者を目指したキッカケ

長岡
紗幸お姐さんが芸者を目指すキッカケは何だったのでしょうか?

紗幸
大学で社会人類学を専攻し、その中でも日本文化を専門に勉強していたのですが、社会人類学では、研究テーマについて自ら経験をすることで理解を深めます。花柳界について学ぶために浅草の見番組合に許可を頂き、入門することができました。

長岡
文化や言葉の違いで苦労も多かったのではないでしょうか?

紗幸
元々、中学校時代から日本に住んでいましたので、一般的な日本の文化や言葉については大きな問題はありませんでした。お陰で、通常の芸者はお披露目まで約1年の修業期間が必要なのですが、同じ位の期間でお披露目することができました。

長岡
花街では、どのような修業をされるのでしょうか?

紗幸
踊り、お茶、太鼓、歌、三味線、芸者文化についての学習など多岐に渡ります。楽器は三味線以外にも、学生時代にずっとフルートをやっていたので、お師匠から笛の演奏許可を頂き、お座敷で披露させて頂いています。芸事のお稽古は今でも続けています。

長岡
そして、今では大学の教壇にも立っていらっしゃるので、培ったものを広い分野で活かせていますね!

紗幸
浅草で芸者をしているときに講義のお願いが来まして、置屋のお母さんや見番の許可もらって始めたのです。。

長岡
大学の講義では、東をどりの見学や、今回の半玉体験以外には、どのような活動があるのでしょうか?

紗幸
基本的には日本文化の学習になりますが、年に2回、お座敷体験を実際の花街で行います。最初にやったとき、浅草の二十歳の半玉さんは『初めて自分より若いお客さんがお座敷に来た!』と喜んでいたのを覚えています。

 

外国籍で日本で芸者になるには?

長岡
実際に外国籍の方で、芸者になるには、どうすれば良いのでしょうか?

紗幸
原則、外国籍ですと芸者にはなれません。芸者業を営むには日本人であるか、日本での永住権が必要となります。

長岡
法律的な理由でしょうか?

紗幸
はい、芸者業は風適法管理による許可営業となりますので、日本国籍か永住権がないと、ビザの問題が生じます。私の場合、中学生の頃から日本に住んでいて、永住権も認められていますので、営業許可が頂けました。私のように日本育ちであることが永住が許可されるのに必要になるのです。

仮に問題が生じた場合、芸者(実際には芸者ではないが)だけでなく、置屋も処罰の対処に含まれますので、注意が必要となります。

 

 これからの展望について

長岡
今後の活動予定は?

紗幸
5年間、独立した置屋として芸者を続けて来ましたが、見番のある花柳界に入り直したいと思っています。この5年間で、8人の半玉を置いた経験を今度は見番のある街で活かしたいと考えています。

 インタビューを終えて

本日はインタビューへのご協力ありがとうございました。

今回の取材で、私が特に印象に残った紗幸さんのコメントを最後に紹介します。授業の参加者の一人が紗幸さんに以下の質問をされました。※学部の方針として授業はすべて英語で行われるため、質問と回答はすべて英語となります。

”How long does it take to master geisha techiniques?”
(芸者としての技術を習得するにはどれくらいの期間を要しますか?)

“Geisha never stop studying.”
(芸者の修業に終わりはありません)

この言葉に芸者という生業を選択された紗幸さんの決心の強さと、誇りを感じました。

最後に、

紗幸お姐さんの置屋では、現在芸者を募集しています。

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